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市場が下落期突入か
そして、マンション市場をさらに冷やすトピックスが流れた。国税庁が「タワーマンションによる相続税対策」に対して、現行よりも厳しい基準で対処するように国税局に指示した、というニュースだ。
現在、東京の山手線周縁部から城南エリア、湾岸エリア、川崎市と横浜市の一部はバブルといってよい水準までマンション価格が高騰している。高くなったマンションを勢い良く買っていたのは、相続税対策を行いたい富裕層とアジア系の外国人。
ところが、今回の国税庁の指示によってマンション購入による相続性対策は、さらにリスキーになった。今までより多くの相続税が発生する可能性が高まるとともに、その物件自体の資産価値が低下する恐れも大きくなった。世の中のマンション購入熱が、急速に冷める可能性があるからだ。
今のところ読みにくいのは、外国人の動きである。彼らの「爆買い」熱が衰えそうな兆しはないが、日本のマンション建設に対する信頼が揺らいでいるだけに、今後の展開は不透明。東日本大震災の直後に、東京の街から一斉に外国人が消えたように、マンションを一斉に売り始める可能性もある。また、外国人の主力とみなされる中国人たちの本国では、共産党政府の発表する経済成長の統計数字が世界中から疑われている。彼らが今後とも日本のマンションを爆買いできるのか、やや疑問である。
マンション市場には、これだけの不安要素が出てきた。現状の「地域限定バブル」というべき状態は、今が潮目となって下落期に突入する可能性が高まっている。
(文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト)
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