いずれもあくまでひとつの目安ではありますが、過去の経験からいって、外れることは少ないといえます。
少し堅苦しい話が続きましたが、トレンドって非常に大切なことなんです。例えば、全体の相場が下降トレンドに入っているときに買いに出るのは、しけの海に漁に出るようなものです。また、全体相場が上昇トレンドに入っていても、その銘柄のチャートが下降トレンドに入っているときに買いに入るのは、負ける可能性が高いといえます。
トレンドに逆らっているからです。
日経平均、TOPIXからトレンドを読む
ですから、具体的なチャートを例に、もう少ししつこく続けます。以下の図は日経平均とTOPIXの日足チャートです。チャートと文章を照らし合わせて、よーく見てください。2つを見るのは大変でしたら、日経平均を見てください。最も大切なことを解説します。
日経平均株価
4日には大きな陰線(始値が終値を下回ったときは陰線、逆は陽線)を立てて、(3)25日線を割りました。「調整に入ったな!」。
6日には(4)25日線が下向き転換し、「完全に調整に入ったな!」と確信しました。実際、その後は調整に入り、その後、戻りを試す場面はありました。
具体的には(5)5日線を上回る、(6)5日線が上向き転換する局面がありましたが、結局、(7)25日線を上回る、(8)25日線が上向き転換するまでには至らず、その後も調整場面が続きました。
(5)に入る前に、特に個人投資家が見切り売り=ぶん投げて大きく突っ込む局面が訪れることも結構あります。年に2~3回はあるでしょうか。5月15日が、そんなぶん投げる日になりました。その後も投げが出る日が何度もありましたが、ただ、こうしたぶん投げが出るということは底入れ接近のシグナルです。実際、5月28日に(5)(6)を達成、次の目標は(7)、さらに新しい上昇相場に転換するには(8)まで行かないと実現しません。しかし、結局、またまたダメでした。
なんと今TOPIXは、バブル前の水準
5月31日に5日線を割り、6月4日にはさらに下落、日経平均と同じ全体相場の指数であるTOPIXは、なんと29年ぶりの安値を更新しました。つまり83年の水準です。僕がこの業界に入った翌年の水準です。業界に入った以降の歴史を否定されたような寂しさを感じました。