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小薮浩二郎「食品の闇」

食品添加物、安全性試験は動物試験のみ!ネズミの試験で人間での安全性は評価不可能

文=小薮浩二郎/食品メーカー顧問
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 さて、ここで人間での試験が行われていないことにお気づきでしょうか。

 たとえば牛は稲ワラや草を食べ消化し生きていけますが、人間は稲ワラなどを食べても消化しないばかりか、胃袋など消化器系を損傷してしまいます。牛と人間では生理機能などが異なるのです。ネズミと人間とでの生理機能も大きく異なります。蛇足ながらネズミは痔になりません。

 ネズミなどの動物を使った試験の結果をもとにして、「人間ならこれくらいの量の添加物を食べてもよいのではないか」ということを示す「一日摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)」を推定しているにすぎません。

 難しい話は抜きにして考えてみましょう。ラット(ネズミの一種)の寿命は2年です。ラットに2年間食べさせて安全だから、寿命が80年の人間に生涯食べさせて安全だといえるでしょうか。ちなみに、医薬品は人間での安全性を確認しています。

 次回は、添加物の人間に対する安全性を動物での試験結果から推測することが、いかに危険な結果を招くか、例を挙げて説明します。
(文=小薮浩二郎/食品メーカー顧問)

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

1945年、岡山県生まれ。九州大大学院農芸化学専攻(栄養化学講座)修了。製薬会社の研究部門ほか、添加物開発の最前線で添加物研究に従事する。研究歴40年以上で、第一人者。現在は、食品会社の顧問、食品販売会社特別顧問(品質管理)に携わる。著書に「悲しき国産食品」「食品業界は今日も、やりたい放題」「食品選び・おとなの知恵 ちょっと高くても、コッチ!」など。

Twitter:@eQuqANeNct8MdU5

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