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【沖田臥竜コラム】

六代目山口組系と住吉会系で明暗を分けた「みかじめ料」裁判…恐喝でかたや無罪、かたや実刑

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みかじめ料をめぐり東京地裁で下った2つの裁判の結果とは……。

 法廷ではその日、傍聴席から歓喜の声が上がった。

 8月28日の東京地裁。法廷に立っていたのは、六代目山口組三次団体である、五代目國粹会・十四代目東京生井一家の梅木康明総長。中央区銀座にある高級クラブをはじめとした飲食店からみかじめ料を受け取っていたとして、昨年6月に恐喝容疑などで逮捕・起訴されたが、すべての審理を終え、この日、判決が言い渡されたのだ。

 検察サイドからの論告求刑は懲役7年。そこには、ヤクザの資金源を絶とうする当局の意気込みすら感じられた。客観的に見ても、それほど重い求刑だったのだ。

 だが言い渡された判決は、懲役1年6月、執行猶予3年であった。

 判決では、捜査段階において当局が被害者サイドに対し、脅し取られていたように誘導するといった不正が一部に見受けられたことを指摘し、恐喝となった3件について、飲食店側は脅されたわけでなく合意の上で金銭を渡した点を認め、いずれも無罪とした。その上で、恐喝未遂についてのみ有罪の判決を下したのである。

 また、梅木総長と一緒に同事件で逮捕されていた関係者に対しても、恐喝未遂に対しては実刑判決としたものの、未決通算を用い、勾留中にすでにその刑期は務め終えたものとし、即日釈放するという、まれに見る判決を言い渡した。

「未決通算とは、判決まで拘置所に勾留されていた日数を刑期から差し引くことですが、それは裁判官の裁量で決めることができます。情状が悪ければ、どれだけ勾留されていても、未決通算を1日も与えないこともできるのです。たいていの場合、実刑を打たれた被告人に対し、どれだけ勾留期間が長くとも未決通算で刑期を満了させることはないのですが、今回はすぐに釈放したのですから、異例のことではないでしょうか」(司法関係者)

 異例ずくめの判決だったがゆえ、冒頭でも触れたように、傍聴席から歓喜の声が上がるのも頷ける話だったのだ。

みかじめ料は、持ちつ持たれつの「必要悪」!?

 その余韻も冷めやらぬ翌29日。同じく東京地裁では、今度は舞台を銀座から赤坂に移し、同エリアでみかじめ料を脅しとっていたとして、昨年11月に恐喝容疑などで逮捕されていた住吉会傘下の大日本興行三代目・松戸一郎会長に判決が言い渡された。

 松戸会長は、脅すつもりはなかったものの、飲食店側が脅されたと思ったのであれば自分に非があるだろうと容疑を認め、被害弁済を済ませた上に示談も成立させていた。それだけではなく、公判審理中にヤクザ社会からの引退を決意し、カタギになったのである。

 そうした面を考慮されてか、検察側からの論告求刑は懲役5年。梅木総長の7年よりも軽いものであった。

 だが言い渡された判決は、懲役2年6月の実刑となったのである。

「2つの事件を比較した場合、あまりにも平等性に欠けるのではないか。どちらも、飲食店側がみかじめ料を無理矢理むしり取られたという感じではなく、ある程度の合意性があったという点も一致している。あとは、みかじめ料を徴収した側の問題だ。松戸会長のように、罪を認め、償おうすればするだけ、現実的には損するということにならないか」(東京に拠点を置く組織幹部)

 もちろん、みかじめ料など、本来あってはならないものだ。しかし、一方でこれまで飲食店側とヤクザ側で持ちつ持たれつの関係によって成立していた「必要悪」との指摘があったのも事実だ。それについて、ある親分が過去にこのように話していたことがあった。

「水商売にはトラブルが付き物。だから、何かあった時は、ワシに面倒見てもらってるって言うたらええと。それで収まることもあるしな。そしたら店側も、その好意に対して、せめて気持ちだけでも月々に納めさせてほしいってなっていくわけや。それで納めてもうたお金でええ思いしようというんやない。そのお金は街の飲食店で綺麗に使ったるんや。街に返すわけや。それで、その街の飲食店はうまく回っていくんや」

 だが、そんな言葉も今の時代は通用しない。暴力団排除条例の施行以来、そういった時代の名残りは、完全に払拭されてしまったのではないだろうか。

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