
筆者が主宰しているJORA(一般社団法人 日本オーガニックレストラン協会)の調理実習に初めて出席された方が一様に驚かれるのは、生ゴミの少なさです。確かに、1日で12~13品、多い場合は15~16品つくりますが、講座が終わって生ゴミを集めると、両手の平に乗るくらいしかないので、驚くのも当然かもしれません。すべてのご家庭が同様であれば理想的ですが、日本の食品ゴミの総量は約2842万トンもあり、そのうち可食部分、つまり本来は食べられるのに捨てられてしまう“食品ロス”は、なんと約646万トンもあると推計されています。
食品ゴミ以外のゴミの量も、日本は半端ではありません。環境省の発表によると、年間のゴミの総量は4487万トンだそうです。国民1人当たり、毎日約958グラムものゴミを出していることになります。年間だと1人320キログラムです。これは世界一の量ですが、ちなみに2位のフランスは1人当たり年間180キログラム、3位のドイツが140キログラム、4位のアメリカで100キログラムということですから、いかに日本人がゴミを出しているかがわかります。
ゴミは燃やしてしまえばすべて問題が解決するというわけではなく、焼却の時に出る有害物質は、巡り巡って私たちの体にダメージを与えることになりますし、焼却後に出る有害物質を含んだ灰をどう始末するのかということも、大きな問題です。その有害物質のなかでも、特に毒性が強いということで一時は大問題となり大騒ぎとなったダイオキシンですが、最近はあまり取り上げられなくなりました。しかし、問題が解決したわけではなく、誰も話題にしなくなったというだけのことです。