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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

封印されたダイオキシン問題、蝕まれる日本人の体…生殖機能低下や腫瘍形成の恐れも

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
封印されたダイオキシン問題、蝕まれる日本人の体…生殖機能低下や腫瘍形成の恐れもの画像1「Getty Images」より

 筆者が主宰しているJORA(一般社団法人 日本オーガニックレストラン協会)の調理実習に初めて出席された方が一様に驚かれるのは、生ゴミの少なさです。確かに、1日で12~13品、多い場合は15~16品つくりますが、講座が終わって生ゴミを集めると、両手の平に乗るくらいしかないので、驚くのも当然かもしれません。すべてのご家庭が同様であれば理想的ですが、日本の食品ゴミの総量は約2842万トンもあり、そのうち可食部分、つまり本来は食べられるのに捨てられてしまう“食品ロス”は、なんと約646万トンもあると推計されています。

 食品ゴミ以外のゴミの量も、日本は半端ではありません。環境省の発表によると、年間のゴミの総量は4487万トンだそうです。国民1人当たり、毎日約958グラムものゴミを出していることになります。年間だと1人320キログラムです。これは世界一の量ですが、ちなみに2位のフランスは1人当たり年間180キログラム、3位のドイツが140キログラム、4位のアメリカで100キログラムということですから、いかに日本人がゴミを出しているかがわかります。

封印されたダイオキシン問題、蝕まれる日本人の体…生殖機能低下や腫瘍形成の恐れもの画像2

 これだけゴミが出ているわけですから、それを始末するための焼却炉もたくさん必要です。日本の焼却炉の数は、やはり世界一で、1243基です。2位アメリカが351、3位フランスが188、4位ドイツが154と続きますが、国土面積などを勘案すると、いかに多いかがわかります。焼却能力の違いもあると思われるので単純比較はできませんが、それにしても多すぎる感が否めません。

 ゴミは燃やしてしまえばすべて問題が解決するというわけではなく、焼却の時に出る有害物質は、巡り巡って私たちの体にダメージを与えることになりますし、焼却後に出る有害物質を含んだ灰をどう始末するのかということも、大きな問題です。その有害物質のなかでも、特に毒性が強いということで一時は大問題となり大騒ぎとなったダイオキシンですが、最近はあまり取り上げられなくなりました。しかし、問題が解決したわけではなく、誰も話題にしなくなったというだけのことです。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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