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石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

池江璃花子さんが発症の白血病、その壮絶な治療…発症しやすい人の特徴 医師が解説

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

白血病の治療

 白血病と診断されると、作用機序(メカニズム)の異なる数種類の抗がん剤を使っての多剤(化学)療法が行われる。

 がん(白血病)細胞のみならず、正常の白血球、血小板、赤血球はおろか、胃、肝臓、腎臓など、人体すべての臓器の細胞を抗がん剤で攻撃するのだから、脱毛、嘔吐、下痢、感染症(肺炎、肝膿症)、出血、肝臓や腎の機能障害など、ありとあらゆる症状が出現してくる。しかし、抗がん剤に対しては正常細胞よりがん(白血病)細胞のほうが感受性が強いので、がん細胞のほうがダメージが大きく、「治療」が成り立つのである。

 正常細胞のほうが抗がん剤のダメージからの回復も早いことを利用して、血液(正常の白血球、血小板、赤血球)が回復次第、順番に化学(抗がん剤)治療を繰り返して、白血病細胞を減らしていく。白血病細胞がほとんどなくなって、一見治癒したように見える状態を寛解という。ここまでを「寛解導入療法」という。

 この後、完全治癒を目指して「地固め療法」や「維持・強化療法」が抗がん剤を用いて行われる。

 しかし、これでも再発する患者さんには近年「骨髄移植」なども行っているので、それによって四十数年前より今は格段に治療成績が上がっているのである。こうした西洋医学の治療技術の進歩によって、俳優の渡辺謙さん、女優の吉井怜さん、元宮城県知事の浅野史郎さんらの有名人も、完全に社会復帰されている。

 池江さんは人並み以上の体力と精神力を持ち合わせておられる。辛い治療を乗り越えて必ずや治癒されるものと確信してやまない。

 さて、漢方医学では、白血病は色白で冷え症の人がかかりやすいとされる。池江さんもそうだし、亡くなられた女優の夏目雅子さんも透き通るような色白の肌を持っておられた。

 漢方医学の「相似の理論」では、色白の人は白い血球(白血球)が増える白血病にかかりやすいと考える。色白の人がみな白血病になる、というのではなく、白血病にかかった人は色白の人が圧倒的に多いという意味だ。西洋医学の医師からは一笑に付されるかもしれないが。

 よって、漢方医学では、白血病の人や貧血(赤血球という赤い色の血球が不足)の人には、色の濃い食物(赤~黒)をしっかり食べるように推奨されている。たとえば玄米、黒パン、黒豆、黒ゴマ、海苔、黒砂糖、黒酢、紅茶、味噌、醤油、梅干し、ゴボウ、人参、生姜、山芋などの根菜類、赤ワイン、梅酒、紹興酒などである。
(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業後、血液内科を専攻。「白血球の働きと食物・運動の関係」について研究し、同大学大学院博士課程修了。スイスの自然療法病院B・ベンナー・クリニックや、モスクワの断食療法病院でガンをはじめとする種々の病気、自然療法を勉強。コーカサス地方(ジョージア共和国)の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。現在は東京で漢方薬処方をするクリニックを開く傍ら、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。著書はベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)、『「食べない」健康法』(PHP文庫)、『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、石原慎太郎氏との共著『老いを生きる自信』(PHP文庫)、『コロナは恐くない 怖いのはあなたの「血の汚れ」だ』など、330冊以上にのぼる。著書は韓国、中国、台湾、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、タイなど世界各国で合計100冊以上翻訳出版されている。1995~2008年まで、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」へのレギュラー出演など、テレビ、ラジオ、講演などでも活躍中。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩の御殿医。

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