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もっとも有名な歌劇『カルメン』は、なぜ初演当時は酷評されたのか?

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「Getty Images」より

 オペラに詳しくない方でも、歌劇『カルメン』という題名はご存じだと思います。特に序曲は聴かれたことがあるはずです。現在、TBSが夜の番組の宣伝をするときに使っているくらい、クラシック音楽、ポピュラー音楽の垣根を越えた有名な音楽です。

『カルメン』は、1838年生まれのフランス人作曲家・ビゼーによって作曲されましたが、オペラ劇場でなくコメディーオペラ劇場、つまりは滑稽な内容を取り扱う気楽な劇場で初演されました。しかし、『カルメン』のストーリーは、人種問題や社会の裏側を垣間見せている内容で、当時コメディーオペラで楽しもうと聴きに来た気楽な観客にしてみると、まったく期待外れで、初演は大失敗に終わってしまったのでした。

 スペインを舞台としている『カルメン』の主役のカルメンとドン・ホセは、今でいう移民問題のような2人でした。絶世の美女カルメンは、今でも差別問題があるジプシーの女性で、働いているのは最下層の労働者が働くタバコ工場です。ちなみに、スペインのアメリカ進出によりヨーロッパにもたらされたタバコ、特にキューバの首都ハバナの葉巻は有名ですが、カルメンはハバナを名前の由来に持つ音楽“ハバネラ”を歌いながら登場し、下品なタバコ工場で働いていることを観客にイメージさせます。周りではジプシーの工女たちがタバコを吸いながら、周りに群がっている男どもに目配せをする。そんな不謹慎な場面です。

 その後、カルメンの恋人になるドン・ホセは、今もなおスペインからの独立問題で揺れ続けているバスク人です。原語も人種も違う人々です。バスク地方からスペインに出てきて兵士になっていましたが、カルメンの誘惑で重罪の脱走兵となり、カルメンのジプシー仲間と山賊の一味にまで落ちてしまいます。そして最後には、自身を捨てたカルメンを刺殺してしまうのです。そんな内容なので、コメディーオペラ劇場で思いっきり笑おうと思っていた観客はがっかりしてしまったのです。

フランスとタバコ

 ちなみに、タバコを最初に吸ったヨーロッパ人はコロンブスです。スペイン女王・イサベル1世の援助を得て大西洋を航海し、西インド諸島を発見したのは1492年。現地の先住民の酋長にガラス玉と鏡を贈ったところ、タバコを返礼としてもらいました。

 そして、コロンブスの大発見をきっかけにスペインの大進出が始まるわけですが、スペイン人たちが新大陸からヨーロッパに持ち帰ってきたのはタバコだけでなく、トマト、ジャガイモ、トウモロコシ、唐辛子、チョコレートという、現在も世界中で愛されているものばかり。つまりは、大量の銀を漁ることになる新大陸発見の前までは、スパゲティナポリタンも、ポテトフライも、韓国のキムチすらもありませんでした。それだけではなく、性病やタバコのような、人の健康を蝕むものまで運んできてしまい、その後の大航海時代により全世界に広めてしまったのです。

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