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伊勢谷友介容疑者逮捕の一方で囁かれた「大物男性アーティスト」薬物情報【沖田臥竜コラム】

文=沖田臥竜/作家
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伊勢谷容疑者を逮捕したのは警視庁組対5課だった

 その日の午前中、私は、スクープを連発させることで業界内ではよく知られている週刊誌の友人に、電話であることについて話を聞いていた。あることとは、芸能人の薬物逮捕についてである。

 どうも業界内では、ある有名俳優の薬物事案について、ざわついているというのだ。もしかすると、近々逮捕もあり得るというものである。ただ、その時点では、誰かを特定することがまだできていなかった。以前に比べると、当局から漏れ伝わってくる情報から、彼らがターゲットにしている人物を特定しにくくなっているということには、それなりの背景があったようだ。

 それは、去年に逮捕が囁かれた大物女優の薬物疑惑が少なくとも関係しているのではないか。その際、情報をいち早く掴んだ某テレビ局の番組プロデューサーから、事前に、当局の動きが本人に漏れ伝わってしまったというのだ。そのために、大物女優はガサ入れや薬物検査対策を万全に行い、逮捕を免れたといわれていた。もちろん、この情報自体の信憑性も疑わなくていけないが、少なくとも以前よりは、芸能人の薬物事案における捜査情報について、当局内の漏洩防止が徹底されてきているのは事実といえるだろう。

 この日のある有名俳優についての噂についても、マスコミがざわついていたのは事実だが、すぐに事態が動くというほど緊迫していたかというとそうではない。なぜならば、「○○が薬物をしているらしい」「当局が内偵を進めているらしい」といったレベルの情報は、頻繁というほどではないにしろ、業界内には時折飛び交っているからだ。さらに、そこから実際に逮捕に辿りつくのは、年間でいえば2〜3件あるかないかとなってくる。

 現に、以前から薬物疑惑が囁かれていた著名人が、この数日前に家宅捜索を受けたという情報も流れていた。その著名人は、疑惑払拭のためにあるパフォーマンスを行ったことで捜査機関を執拗に刺激していたともいわれる。だが、今回のガサ入れや薬物検査の結果はシロだったようで、当然逮捕もされていない。この著名人にとっては迷惑千万な話だろうが、もしも事実無根というのであれば、前回のように当局への非難なりを展開してもいいと思うが、実際には家宅捜索後、すっかりと鳴りを潜めた状態が続いている。これ以上、当局を刺激したくはないのだろうか。こうした一例を見ても、薬物事案は逮捕されなければ、マスメディアによって報じられることはなく、一般人が知ることもないのである。

 今回出回っていた、有名俳優の薬物事案の情報も、そのように表に出ることはないのか……そんなことを考えはじめながら、昼を回った辺りだった。

「マトリが追っているのは俳優ではなく、歌手のようです」

 先の週刊誌の友人からはそんな言葉を聞き、「俳優?」「歌手?」と、情報が錯綜し始めたと思った瞬間、マトリ(厚労省麻薬取締部)ではなく警視庁組織対策5課が、伊勢谷友介容疑者を大麻取締法違反で逮捕したのであった。ただ一方で、別のメディア関係者は私にこう話したのだった。

「組対5課に先を越されたが、マトリはマトリで大物男性アーティストを狙っている。自宅周辺のゴミなどを漁っているようだ」

 つまり、情報が錯綜していた背景には、組対5課は伊勢谷容疑者を、マトリは男性歌手を追っているという事実があったのだ。そして、先に逮捕されたのは、伊勢谷容疑者だったというわけになる。

「伊勢谷容疑者と、マトリが注目している男性歌手には、ある接点があります。さらにその周辺には、ほかにも薬物疑惑が囁かれている人物らもいます。今度はマトリが著名人を逮捕する可能性があるのではないでしょうか」(前出のメディア関係者)

 実は、この「接点」に関係しているのではないと囁かれる出来事が、その後に起きている。だが、そのことについて、具体的に報告するのはここではよしたい。まだ確証がないからだ。そして、芸能マスコミ内では薬物汚染騒動の余韻が漂う中で、あるタレントに関係する問題動画が流出し、その確認のために大わらわとなったのだった。

 芸能界の話題は、次から次へとものすごいスピードでチェンジしていくのであった。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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