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川端理香「惑わされない! 栄養と食の本質」

実は冬こそ痩せやすい…暖房を温度低め&肉・魚・卵食べてカロリー消費量を増やす

文=川端理香/管理栄養士
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「Getty Images」より

 何かがきっかけとなり、肉体改造に取り組む方も多いでしょうが、継続することは難しいものです。性格だけでなく、仕事などを含めた日常の生活を大きく変えることはできないため、断念せざる得ないことが出てくることも理由かもしれません。

 意外に思うかもしれませんが、アスリートも同様です。それをどうやって克服しているかというと、目標を明確にすることはもちろん、そこに至るプロセス、理由や理論を明確にすることで継続につなげています。それによってモチベーションを高くキープさせるのです。

 さて今回は、年末年始の暴飲暴食が起こりやすい時期が過ぎて、体重や体脂肪を気にしている方に向けたお話です。人間が太る、痩せるというのは、食事をすることで得られる「摂取エネルギー」と、運動などで使われる「消費エネルギー」の関係で変わります。つまり摂取エネルギーが多くなれば太りますし、消費エネルギーが多くなれば痩せます。とても簡単なことです。

 ただ、ジムに通ってマシンなどで消費エネルギーをチェックしていたり、食事のカロリー(エネルギー)を記録している人はよくご存じのとおり、「こんなに走っても50kcalしか消費しないんだ」「1食で800kcalもあるの?」といったように、なかなかエネルギーを消費するのは難しく、逆にエネルギーは簡単に多く摂取できてしまうものです。

 ここで勘違いしやすいのですが、運動しても消費エネルギーが意外と少ないのは事実ですが、エネルギー消費は運動だけで行われるわけではありません。通勤、洗顔、トイレに行くといった「生活活動代謝」と、じっとしていてもエネルギーが使われる「基礎代謝」、そして食事をすることで栄養素が分解、吸収されることで起こる「食事誘発性熱産生」の3つがあるのです。

基礎代謝と食事誘発性熱産生がカギ

 このなかでもっとも人間のエネルギー消費に関わっているのが「基礎代謝」です。これ約70%も占めているのです。机に座って仕事をする、本を読む、テレビを見るなど、身体を大きく動かさなくてもエネルギーは使われているのです。

 この基礎代謝のエネルギー消費量を上げるには、筋肉量を増やすのが効果的だとよくいわれますが、実は季節も関係しています。気温が高いときよりも低いときのほうが上がるので、冬はじっとしていてもエネルギー消費量が多くなり、痩せやすい時期なのです。

 ただ、暖房の効いた温かい部屋にいるとエネルギー消費量は小さくなるので、暖房の設定温度を低くしたり、換気をしたり、気温の低い外に出る時間を増やすことも大事です。寒いと外に出ることがおっくうになりますが、冷たい風を感じながら「エネルギーが使われているんだ」と思えば、少しは寒さも楽しくなりませんか?

 そして、「食事誘発性熱産生」ですが、これは食事をすると発するエネルギーといいましたが、全エネルギー消費量の約10%程度とされています。何を食べるかで、この消費量は大きく変わってきます。

 食べたときに最も身体がエネルギーを使うのが、「たんぱく質」です。最近のたんぱく質ブームで、肉や魚、、豆、乳製品を積極的に摂っている方も多いかと思います。これらのたんぱく質は、主食の米やパスタなどを食べるよりも、多くのエネルギーを消費します。しかもたんぱく質は、筋肉や骨などの成分にもなり、たんぱく質摂取と気温の調整をうまく利用することが重要となってきます。

タンパク質は分けて食べる

 では、これからは食事においてどのような意識を持てばよいでしょうか。まずはこれまでの自分の食事を基本に考えます。先ほど、たんぱく質を多く含む食材を5種類あげましたが、毎食これらのうち、どれか一つでも摂取するように意識してください。たんぱく質はまとめて食べるよりも、回数を分けて摂ることがコツです。

 次に、1日5種類を摂るように心がけてください(アレルギーのある食材は除く)。よく鶏肉だけ、卵だけ、と同じ食材に偏って食べる人がいますが、そうすると摂取できる栄養素にも偏りが出てきて、疲労や便秘などの原因となることもあり、腸内環境が悪くなるとメンタル面も含めてあらゆるところに不調が出ることもあります。「朝ごはんで卵を食べたら、昼は肉、夜は魚」というように、なるべく摂取するたんぱく源を変えてみましょう。

 ほんのちょっとしたことが、身体には大きな変化となって表れます。ぜひ、いい変化を得られるように、まずは寒さを味方にしてみてはいかがでしょうか。

(文=川端理香/管理栄養士)

川端理香/管理栄養士

川端理香/管理栄養士

昭和女子大学非常勤講師。2004年アテネオリンピック「VICTORY PROJECT」チーフ管理栄養士、08年北京オリンピック委員会強化スタッフ。JリーグやVリーグ、プロ野球、プロゴルフ、ラグビーなど多くのトップアスリートをサポート。著書多数。一般を対象にした講演などの食育活動や執筆、レシピ開発、企業の栄養アドバイザーも務める。


川端理香オフィシャルブログ

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