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鹿やイノシシの際限なき増殖が社会問題化…畑壊滅や交通事故多発でもハンターが足りない!

文=藤野ゆり/清談社

「現在の状況を表すと、まさに『二兎を追う者は一兎をも得ず』。ジビエ普及の当初の目的は、鹿やイノシシを獲って数を減らすことでした。ところが、その鳥獣肉を有効活用すべくジビエを地域振興に利用しようとして、今やそちらにばかり気を取られている。

 今のままでは、いつになっても害獣は減りません。結果的に、害獣を減らすこともジビエの需要供給を増やすことも、どちらも中途半端な状況に陥ってしまっている。それが現在のジビエの実態、というのが率直な印象です」(同)

 ジビエ食の安全性に関する衛生管理の統一ルール、将来を担うハンターの育成や処理施設の確保……ジビエ普及には、さまざまな問題が山積している。

 また、国を挙げてジビエに投資しているものの、補助金で移動式の解体処理車「ジビエカー」を開発するなど、予算の使い道には見当違いと言わざるを得ないケースも見受けられる。

 ジビエが一般家庭に普及する日は、本当に来るのだろうか。
(文=藤野ゆり/清談社)

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