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政治的方向性も理解不能だった。次世代の党は自らを「自民党の補完勢力」として位置づけているが、自民党の右派よりも右の政治スタンスをとる集団を、果たして自民党が求めているのだろうか。そもそも明治憲法の復活を提唱する政党を、多くの国民が支持するというのだろうか。さらに、次世代の党から実際の国民の生活について具体的な提案が行われたという記憶はない。
昨年の衆院選で次世代の党の公認候補の応援に行った江口氏が、「子育てや家計の問題について話せば有権者は足を止めて聞こうとするのに、候補者は尖閣諸島が中国に狙われていることなどばかり主張する。確かに外交防衛は大事な問題だが、それだけでは有権者の関心を得られない」と嘆いていたことを思い出す。
江口氏の離党会見は、17日夕方に参院議員会館1階の談話室で行われた。終わってロビーに出ると、中山氏がエレベーターを降りて車に乗ろうと出口に向かっていた。やや下を向いていたが、心なしか険しい表情をしているように見えた。その中山氏が車に乗り込む姿を眺めていると、江口氏が笑顔で談話室から出てきた。もう少しではち合わせになるところだったが、かろうじてそれは避けられた。この時の2人の表情の明暗が見事に対照的で、それぞれが目指すところは二度と交わることがないと確信した。
21日の党名変更の記者会見で、中山氏はにこやかに「日本人が誰でも持っている精神が欠けつつある」と党名に「日本のこころ」を入れた理由について語っている。だがそこには、党を離れたかつての同志への思いやりは見られなかった。
(文=安積明子/ジャーナリスト)
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