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適正な管理費の検討が課題
だが、監理団体が不当に儲けているのかといえば、決してそうではないようだ。都内にある監理団体はホームページで、経費の一部を公開している。
この監理団体で技能実習制度にかかわる職員は約50名。給与を1人平均25万円と設定すると、これだけで毎月1250万円。実習先訪問では車両経費、ガソリン代、高速代、駐車場代、さらに海外での面接にかかわる渡航費や宿泊費の合計が月約1000万円。事務所の家賃やOA機器代などで月に200万円が発生する。
監理団体は非営利団体なので当然だが、「儲けなんて出てないのが現状」(同ホームページ)と述べている。
かりに1~2万円に引き下げられたら、どう対処するのだろうか。監理団体によっては大幅にサービス内容を削減するか、ディスカウントモデルを開発するか、それとも技能実習生の受け入れ業務から撤退するか――。
複数の団体から技能実習生を受け入れている関西の中小メーカー社長は「5万円は高いが、2万円以下では安くてサービスの質に不安を感じる。良心的な料金の基準はないが3万円前後だと思う」と実感を話す。
2019年4月に発足する新在留資格に技能実習生の一部が移行し、いずれ外国人技能実習制度は縮小していく見通しだが、新在留資格では新設される登録支援機関が巡回指導を担う。新在留資格は技能実習制度と異なり、就労先の変更(転職)が可能なので、低賃金過重労働を防止できるのではないかという期待もできなくはない。
だが、毎月の管理費をめぐる不満がくすぶり続けて、低賃金過重労働が繰り返される事態も十分に想定できる。適正水準の検討が必要だ。
(文=編集部)
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