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動き出した山口組分裂騒動…神戸山口組も任侠山口組への切り崩しを開始か? そして当局の狙いは?

文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部
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動き出した山口組分裂騒動…神戸山口組も任侠山口組への切り崩しを開始か? そして当局の狙いは?の画像1家宅捜索を受けた六代目山口組総本部

 当サイトでも既報の通り、任侠山口組六代目山口組へ加入するという情報が飛び交い始めて以降、任侠山口組直参組長らの離脱が相次いだ【参考記事「任侠山口組、ナンバー3が離脱か」】。現在、巷に溢れる噂だけでも、10人もの直参組長らが任侠山口組を離脱したというのだ。これについて、ある関係者は次のような見解を示す。

「10人の直参が任侠山口組から去っていったのは間違いない。ただ、すべてが六代目山口組系組織へと移籍したわけではない。この機にカタギになったものもいれば、組長だけ離脱して、配下の組員がそのまま任侠に残るというケースもあった。残った組員のなかには、直参への昇格が内定している幹部もいる。離脱者が多くても執行部に大きな動揺などはなく、任侠山口組の『去る者追わず』という方針はあくまでも変わっていない」

 一方で、任侠山口組から六代目山口組三代目弘道会系野内組へと移籍した幹部が、先日行われた野内組の定例会に出席したことが捜査当局によって確認されている。

「当初から、20人規模で野内組へ移籍したといわれていましたが、噂通りの大人数で野内組の定例会に姿を見せたようです。この幹部は任侠山口組でも最高幹部を務めただけあって、勢力的にも大型移籍といえるのではないでしょうか」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 そうしたなかで、神戸山口組もついに任侠山口組に対して切り崩しに動き出したという。神戸山口組関係者が語る。

「9日に開かれた神戸山口組の定例会は、いつもに増して長時間行われたようだ。病気療養中で欠席していた幹部も久々に姿を見せ、出席可能な直参組長らはすべて出席している。そうしたなかで開かれた会合から漏れ伝わってくる話によれば、任侠山口組系組員らの迎え入れを、今後は認めるという方針が打ち出されたようだ。要するに、任侠山口組をこの機に切り崩せということではないか。以前にも神戸山口組傘下の有力組織の会合では、そういった趣旨の話があったといわれているが、神戸山口組本体としては初めてではないか」

 こうした情報は、瞬く間に業界関係者の間を駆け抜けた。神戸山口組の中枢組織である山健組を抜けて任侠山口組へ参画した幹部らは少なくないが、そんな幹部らに対しても、山健組以外の神戸山口組傘下組織であれば、どの組で迎え入れてもよいとする通達が出されたとみられる。

 そうしたなかで同日、警察当局も動きをみせた。六代目山口組傘下組織の幹部が特殊詐欺に関与した疑いがあるとして逮捕された事件で、神戸市篠原にある六代目山口組総本部へと家宅捜索をかけたのだ。この模様はすでに大手メディアでも報じられているが、法律に詳しい専門家によれば、警察当局の狙いは六代目山口組の中枢にあるというのだ。

「この機会に、当局では一気に突き上げ捜査に乗り出したいのではないでしょうか。つまり、上層部の使用者責任まで問いたい側面があると思われます。現に関東の組織では配下の組員が特殊詐欺に関与したとして逮捕された際に、上層部にまで使用者責任を求めた事例が出ています。今回の捜査ではそれも視野に入れている可能性が十分に考えられます」

 任侠山口組に対する六代目山口組サイドからの切り崩しが加熱するなか、そこに神戸山口組も本格的に加わってみせたような構図になるのだが、それでも任侠山口組は「山口組の統合こそが最終的な目標だ」と掲げる姿勢は結成当初から変わっていない。こうした状況に対して、取り締まりを一段と強化させる警察当局。

 果たして、この攻防の先はどうなっていくだろうか。
(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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