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太陽の謎、解明へ…人類が初めて太陽大気の内側から観測、100万℃以上のコロナに探査機

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荒れ狂う太陽表面と複雑な大気構造(提供=NASA)
 今夏の猛烈な暑さによって、日本全国の救急搬送人数は統計を取り始めて以来初の9万人突破となりました。外勤のビジネスパーソンは連日汗だくで取引先などを訪問することになり、におい対策などで苦労した方も多かったと思います。


 最近になって、やっと空の高さや木陰のすずしさに秋の気配を感じることができるようになってきました。この夏、何度となく恨めしく見上げた太陽ですが、私たちが太陽の恵みを受けて生活していることは間違いありません。

 地球の生命の起源は、まだ明確になっていません。「宇宙空間を漂う胞子のような生命の種が偶然、地球に到達した」というパンスペルミア説もありますが、現時点でもっとも有力なのは、地底のマグマで温められた海水が深海に温泉のように噴出し、そのなかで複雑な分子が形成されて生命誕生に至った、つまり「生命は地球の海底で誕生した」という説です。

 しかし、私たち人間のように活発に活動できる生物が誕生したのは、太陽の光を使って酸素をつくり出す、原始的な光合成生物が海水面付近で誕生したのがきっかけです。

 太陽はもっとも近くにある恒星ですが、科学的にはわからないことばかりです。その起源や、「なぜ、ほかの星から遠く離れて宇宙空間にひとりぼっちなのか」など多くの謎がありますが、科学者がもっとも興味を持っているのは、太陽の表面温度は約6000℃なのに、数千km上空のコロナはさらに温度が高く、100万℃以上もの超高温であるという「コロナ加熱問題」です。

 たき火をすれば、たき火に近づけば近づくほど熱くなるのは当たり前のことですが、太陽では、逆にある程度遠ざかったほうが温度が高いのです。そんな不思議なことは、地球上では起こり得ません。

NASA、人類初のプロジェクトを敢行


 身近でありながら謎の多い天体の太陽に対して、天文学者たちは長年にわたって探査機を送り込んでの接近観測を望んできました。しかし、それが叶わなかったのは、太陽の高温に耐える探査機をつくることができなかったからです。太陽を十分に観測できる距離まで探査機を接近させると、探査機の表面温度は千数百℃にも達します。

 そんな状況で電子機器を冷却し正常に動かし続けることは、これまでの技術では至難の業でした。近年になり、超高温に耐える新素材が相次いで開発され、太陽大気の間近でも動作し続ける、待望の探査機が完成しました。

 それが、8月12日にアメリカ航空宇宙局(NASA)が打ち上げに成功した太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」です。太陽のまわりを周回しながら、7年間観測を続けます。パーカー・ソーラー・プローブの名前は、1958年に太陽風の存在を理論化した存命の物理学者ユージン・ニューマン・パーカー博士に由来しています。

『宇宙と地球を視る人工衛星100 スプートニク1号からひまわり、ハッブル、WMAP、スターダスト、はやぶさ、みちびきまで』

地球の軌道上には、世界各国から打ち上げられた人工衛星が周回し、私たちの生活に必要なデータや、宇宙の謎の解明に務めています。本書は、いまや人類の未来に欠かせない存在となったこれら人工衛星について、歴史から各機種の役割、ミッション状況などを解説したものです。

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