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沖田臥竜コラム

山口組分裂騒動当初に勃発した「あの事件」で服役した組員らが任侠山口組に続々と帰還

文=沖田臥竜/作家
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山口組分裂騒動当初に勃発した「あの事件」で服役した組員らが任侠山口組に続々と帰還の画像1任侠山口組・織田代表

 12月1日、府中刑務所より1人の組員が出所してきた。これに合わせて、最寄りの中央自動車道のサービスエリアには、約100人の任侠山口組関係者が集結していたことが確認されている。それだけ、多くの任侠山口組関係者がその帰還を待ちわびていたということをうかがい知ることができるのだが、それもそのはずだろう。

 出所してきた組員は、今から約3年前の2016年1月に起きた事件で収監されることになった人物だった。その事件とは、六代目山口組から神戸山口組が割って出た際、両者の衝突が最も激しいといわれ、いわば“戦場”と化していた長野県を舞台に起こったものだった。

 この時、岐阜から長野へと高速道路で入ってこようとした六代目山口組系組員らを、松本市を拠点とする神戸山口組系組織の組員らが料金所手前で待ち伏せ、高速道路の車線上に車両を停車させることで道路を封鎖させたのである。これにより、高速道路には大渋滞が発生し、4時間近くも混乱を及ぼしたため、威力業務妨害で複数の組員が逮捕された。

 この松本市を拠点とする神戸山口組系組織とは、当時四代目山健組傘下にあった三代目竹内組だが、その後、四代目竹内組として任侠山口組に参加することになる。
 
「分裂後、神戸山口組の士気を上げたひとつが、当時、四代目山健組傘下にあった三代目竹内組の活躍ぶりだろう。武闘派として名高い、六代目山口組傘の三代目弘道会野内組を相手に一歩も引かなかった。長野県で起きた衝突で、竹内組の名前は一気に全国区になったといわれている」(地元関係者)

 野内組といえば、今もっとも勢いのある六代目山口組の三次団体として噂に上がる組織で、その勢力はすでにプラチナ級(直参クラス)と言われ続けている。分裂後、その野内組を相手に激しく火花を散らしあったのが、現在は任侠山口組で副本部長の要職を務める金澤成樹会長率いる三代目竹内組だった。

「高速道路封鎖事件では、多くの竹内組組員らが逮捕され、服役することになっていましたが、今月にはもう1人出所し、来年早々にも複数が社会復帰するようです。漏れ伝わってくる話によれば、今回出所してきた組員は、三代目、四代目体制で若頭を務めている幹部の実子分だそうです」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 また、別の関係者はこのように話している。

「任侠山口組から六代目山口組へと移籍する組員らが相次ぎ、一部で任侠山口組の劣勢を伝えられてきたが、決してそうではない地域も存在している。それが、竹内組などの本拠地となっている信州と関東の一部地域の勢力だ。関東のある組織のトップも最近になって、社会復帰を果たしており、織田代表(任侠山口組・織田絆誠代表)が、わざわざ関東同志会(関東の任侠山口組系組織で設立された親睦会)の会長へと就任したのも頷ける話だ」

 関西を中心に活動していた織田代表が、関東同志会会長に就任した背景には、この関係者が話すような「関東・信州重視」という組織的な事情があったのかもしれない。今後、武闘派として知られる竹内組の組員らが続々と社会復帰を果たすとなると、必然的にも任侠山口組の士気が上がることになるのではないだろうか。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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