酵素ドリンク、大半は酵素含まず無意味?コンビニサラダ、薬液使用で栄養補給ならず
酵素ドリンクも粗悪品だらけ
残念なことに私たちの体は、加齢によって体内酵素が減少する傾向があります。つまり、消化能力や代謝能力が落ちることを意味します。そして、それを補ってくれるのは生の食品に含まれている食物酵素しかありません。その意味からも私たちは、ある程度の生の食品を食べる必要があるのです。
生の食品を少し食べただけで体が冷えるという人は、食品に問題があるのではなく、別のネガティブな要素がご自身の体の中に存在していることに気づき、食事のありかた全体を見直すべきでしょう。正しい食事を実践し、私たちに必要な酵素やビタミンCを、またその他の生の食品からしか摂れない栄養素をきちんと摂る以外に、その解決方法はないのだということにも、早く気づくべきでしょう。
また、「○○酵素」といった名称で販売されている商品がありますが、ごく一部を除いてそのほとんどに酵素は含まれていないということも、併せて知っておいたほうがいいと思います。ごくまれに、酵素が含まれた商品もありますが、それはとても高価です。もちろん、あえてそれを食べる、または飲むことを否定する気はありませんが、それよりも生の食品を食べればいいと筆者は考えます。
ファスティングを謳い文句にして、要は酵素ドリンクを継続的に販売する悪徳商法もありますから、くれぐれも用心が必要です。酵素ドリンクを購入すると高くつくので、自宅で酵素ドリンクをつくっているという人がいますが、それもまた危険だということを承知しておいたほうがいいでしょう。
まず、ビンの中では酵素よりも雑菌が繁殖している場合が多々あります。また、大量の白砂糖を使っていることも大問題です。なかには、砂糖は酵素の働きで分解されるから大丈夫などと非科学的なことを堂々と言っている人もいますが、砂糖が分解されたらどうなるかをご存じないのでしょうか。砂糖(ショ糖)は、ブドウ糖と果糖が結びついているものです。したがって、分解されればブドウ糖と、果糖に分かれます。それらは体内に吸収されてしまいますが、大量のブドウ糖が一気に吸収されるという事態が起きます。それが体にどのような影響を与えるかは解説に及ばないでしょう。
蛇足ではありますが、「私はコンビニエンスストアのサラダや、ファミリーレストランのサラダバーでたっぷり生野菜を食べているから大丈夫」と思っている方は、それらの生野菜が次亜塩素酸ナトリウムという薬液で殺菌されており、同時にその次亜塩素酸ナトリウムの働きで、野菜に含まれている酵素も活性を失っている、要するに食べても酵素の補給にも、栄養素の補給にもなっていないということを知っておいたほうがいいでしょう。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)