河南大用グループの鶏肉が輸入されている可能性は?
病死した鶏肉を中国国内で販売、生後30日の超速成鶏の出荷といった数々の悪行が明るみになっている河南大用グループだが、現在はどうなっているのだろうか。
「河南大用グループのサイトを見ると、2016年で更新がストップしていますが、その時点での納入先企業としてケンタッキーやマクドナルドもいまだに記載されています。その掲載情報が事実誤認なのであれば、そういった大手企業がクレームを入れ、法的措置を取っても不思議ではありません。ですから2016年の情報とはいえ現在も掲載されているということは、記載されている企業との取引は現時点でも継続していると考えていいのではないでしょうか。
もちろん、河南大用グループのサイトに掲載されているのは中国のケンタッキーやマクドナルドを指しているものと思います。そして、先ほどもお伝えしたように、中国政府に登録のある業者でなければ日本に輸入することはできず、今はそのリスト内に河南大用グループの名前は見られません。
ですが、残念ながら中国における流通の仕組みは日本とは大きく異なるため、日本への輸入OKのリストの中に河南大用グループの名前がないからといって、絶対に日本には入ってきていないとは言えないのが現実なのです」(同)
確かに、中国政府のリスト作成の厳密性がどれほど高いものかわからない以上、「河南大用グループの息のかかった工場が出荷した速成鶏は日本に入ってきていない」と断言はできないだろう。あくまで可能性の一例ではあるが、例えばリストに記載されている工場の中で、表向きは河南大用グループとは縁もゆかりもない会社が運営しているように装っておきながら、裏では河南大用グループが関わっているといったケースも想定できるからだ。
そして、中国で薬漬けにされた速成鶏が、日本の飲食店やスーパーなどを経由して我々の口に入っている可能性がゼロではないというのも、また事実なのである。
(取材・文=A4studio)