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結果として経済が不調となり、税収そのものもかえって減少し、さらに財務省への求心力を失うことになってしまった。つまるところ、経済政策の総合調整機能を担うに足る政策提案能力も政策実現能力も失ってしまった。
この状況を理解して、財務省とは別に経済政策の総合調整をしようとしたのが、小泉政権下の経済財政諮問会議であり、現実に一定の成果を上げた。今振り返っても、この時期に大きな経済政策の失敗は見当たらない。ただし、これは経済財政諮問会議を主導した小泉首相と竹中大臣という、ユニークな個性に依存した体制であった。
求められる「反省」
やはり、経済を安定的に成長させていくには、どの政党が政権を担当しようとも、組織的に、つまり官僚組織として経済政策の総合調整ができる体制をどう構築するかが課題になる。それは、財務省が組織と意識を変えるのか、あるいはほかの機関がそれを担うのかという問題でもある。
いずれにせよ、ここまで結果がはっきり出てしまったのだから、官僚自身が組織的にこの30年間で財務省が主導した経済政策を反省しつつ振り返ってみるべきだ。そして、今一度、政治だけでなく経済も流動的であることを再認識して、その上で政策の立案と実施の方法を組み立てるべきだろう。
(文=小林敬幸/『ビジネスの先が読めない時代に 自分の頭で判断する技術』著者)
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