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中西貴之「化学に恋するアピシウス」

太陽の謎、解明へ…人類が初めて太陽大気の内側から観測、100万℃以上のコロナに探査機

文=中西貴之/宇部興産株式会社 品質統括部
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 パーカー・ソーラー・プローブは、11月に太陽の大気であるコロナに到着する予定です。そのときの距離は太陽上空2400万kmで、人類史上もっとも太陽に接近する探査機となります。探査機は金星の引力を利用して楕円形に太陽を周回し、7年の間に24回、太陽への接近観測を行います。探査機の軌道は周回するごとに太陽に接近し、最終的には太陽の表面から約600万kmに到達、飛行速度も探査機史上最速の時速約70万kmで太陽の大気の中を駆け抜けます。

太陽の謎、解明へ…人類が初めて太陽大気の内側から観測、100万℃以上のコロナに探査機の画像2太陽に接近するパーカー・ソーラー・プローブの想像図(提供=NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben)

 地球軌道周辺の「安全地帯」から望遠鏡で太陽を観測する衛星は、これまで多数打ち上げられました。そのような衛星の観測結果は、パーカー・ソーラー・プローブの探査に生かされます。太陽観測衛星「STEREO」も、そのうちの1機です。

 STEREOは最近、太陽大気について新たな画期的発見をしました。アメリカのサウスウエスト研究所の研究チームによると、これまで単なる熱く荒れ狂うガスの炎だと思われていたコロナには立体構造が存在することが明らかになりました。炎に立体構造があるというのは、いったいどういうことでしょうか。また、太陽半径の10倍付近のところに見えない「何か」があって、ここで太陽の周辺環境が大きく変化することもわかりました。

 遠くからではよくわからない、このような太陽の謎に飛び込んで観測するのがパーカー・ソーラー・プローブの使命です。パーカー・ソーラー・プローブは、人類が初めて太陽大気の内側から観測を行う探査機です。そのため、外から太陽をながめていただけではわからなかった太陽の謎を解明し、さらに私たちが暮らすこの宇宙について、より多くを知ることができるという成果が期待されています。
(文=中西貴之/宇部興産株式会社 品質統括部)

【参考資料】
平成30年 都道府県別熱中症による救急搬送人員数 前年同時期との比較

NASA, ULA Launch Parker Solar Probe on Historic Journey to Touch Sun」(NASA)

Discovering Structure in the Outer Corona」(NASA)

『宇宙と地球を視る人工衛星100 スプートニク1号からひまわり、ハッブル、WMAP、スターダスト、はやぶさ、みちびきまで』 地球の軌道上には、世界各国から打ち上げられた人工衛星が周回し、私たちの生活に必要なデータや、宇宙の謎の解明に務めています。本書は、いまや人類の未来に欠かせない存在となったこれら人工衛星について、歴史から各機種の役割、ミッション状況などを解説したものです。 amazon_associate_logo.jpg

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